2025
07
15
クウちゃん
転校前、小学校1年生か2年生の頃、近所にクウちゃんという少年がいました。
たしか、年上で5年生くらいだったと思います。
クウちゃんはわたしを含めた近所の小さな子たちの面倒を見ていました。
ガキ大将まではいきませんが、ある意味、リーダー的な存在でした。
缶蹴り、ビー玉、かくれんぼなどのときには、うまくまとめてくれました。
ある夏、私は小学校のプールで仲間と遊んでいました。
まだ、泳げず、もぐることもできませんでした。
浮き輪に身をまかせ、仲間とみずかけごっこみたいなことをやっていました。
とつぜん、わたしはいままで見たこともない世界を見ました。
いろいろな光がいりまじってキラキラしていました。
この光景に見入ってしまいました。
そうです、わたしははじめて水の中を見たのです。
クウちゃんは仲間とふざけて、知り合いの子どもたちを浮き輪ごとひっくりかえして
遊んでいたのです。
このとき、不思議に水への恐怖心はありませんでした。
そんなことを考えるひまもあたえられずに、ひっくりかえされたので。
水の中に入っても、水を飲むことはありません。
自然と息をとめているから。
当時のプール授業では、水をこわがる子を水になれさせる場面を見たことがあります。
クウちゃんと同じように、こわがるひまをあたえずに、とつぜんザブリと沈める。
クウちゃんのおかげで、それ以来、もぐれるようになりました。
でも、プールと海はちがいます。
海では足の立たないところで泳がなくてはなりません。
もぐるのがうまくても、役に立ちません。
沖に向かってグイグイと泳ぐ友人には、尊敬の念をもって見ていました。
私たちが中学生のころには、いなみかまぼこ屋さんの裏が海水浴場でした。
セパレートなる水着にドキドキしていた男子は少なくなかったのでは?
2025/07/15 (Tue.) Comment(0) ちどりあし日記